妹の制服の下

 将人は初めて見る遥のセーラー服姿に、思わずドキリとした。

 最近までランドセルを背負っていた10歳下の妹は、この春、中学生になったのだ。

 新しい制服姿を披露しようと兄の部屋にやって来た遥は、逆に初めて見る将人のリクルートスーツ姿に驚いた様子だった。

 兄妹揃って鏡の前で、新しい自分と向き合っていたのだ。

 だが将人はそんな遥から視線を逸らした。

 まだ幼いはずの遥を、妹というより、一人の女の子として意識してしまいそうだったからだ。

 そんな将人の気も知らずに、

「お兄ちゃんスーツ似合うね! かっこいい!!」

 と、その顔を覗き込もうと駆け寄る妹に、将人は迂闊にも、心臓の鼓動が速く鳴りだすのを抑えられなかった。

「……短すぎる。男に媚びてんのかよ」

 スカートから伸びる幼い太股は、それでも一人前に色気を放ち、つい嫌味な口調になってしまう。

「そんなんじゃないよ、フツーだよ? それにお兄ちゃんよりかっこいい人なんて、どこにもいないもん」

 年が離れた妹から見れば、社会人になる兄は随分大人に見えるのだろう。

 にっこり微笑み、いつもは束ねた長い髪をふわりと揺らしながら無邪気に抱き付いてくる遥。

 将人はこちらの動揺を悟られまいと、苦笑しながら頭を撫でる。

 ――春、急に開花に目覚める桜のごとく、突然“女”へと成長した遥の抱擁に……

 正直どう接していいか、将人は戸惑った。

 だが遥はさらにきつく抱き付くと、将人の心を見透かすような発言をした。

「私……付き合うなら、……Hなことするなら、はじめてはお兄ちゃんと……したいな……」

 

 幼い頃からませた妹は、服装や髪型等にもうるさく、将人が大学の時には当時の彼女との……色んなことを聞きたがっていた。

 だから思春期に差し掛かった遥の冗談も、いつものように笑い飛ばせばいい。

 しかし真剣なまなざしに、遥の本気を見た将人は、考えるより先に躰が応えていた。

「お兄ちゃん……あたってるよ……?」

 遥は将人の股間の突起に気付き、躊躇いもなく手を伸ばす。

 堪えようにも躰中の血と神経は、その一点をさらに研ぎ澄ましていく。

 遥の指はそっと将人自身をなぞり、抑えられていた兄の理性のタガを簡単に外した。

 気が付いたら将人は、……いや冷静な瞬時の判断で、遥をベッドに押し倒していた。

 将人も遥の制服の下には興味があったし、共働きの両親の帰りがまだ数時間後だということは、遥も充分わかっていたに違いなかったからだ。
 

 時に厳しく優しい兄が、遥には理想の彼氏像だった。

 だが将人に彼女が出来たと知った時、激しく嫉妬に狂う自分がいた。

 大学卒業後、将人が上京するならと彼女が別れを告げたと聞いた時、自分ならついて行くと強く思った。

 だからこそ、もうすぐ離れて暮らす兄に淋しさを感じ、新しい制服に着替え、勇気を振り絞って兄の部屋のドアを開けたのだ。

 そして今、兄の将人とだけは叶えられないと思っていた未知の体験を……悪い遊戯を、二人でしようとしている。

 遥は兄に抱かれるという悦びに、胸が高鳴った。

「いいんだな……?」

 そう問う将人に、遥は頬を赤く染め頷く。

 その決意を試すように唇を指でなぞると、遥は小さく息を飲んだ。

 将人は、同じ血の繋がる妹にそそられることの、奇妙さと禁忌に興奮を覚え、そっと唇を重ねると、それが一層強くなった。

 ゆっくりと侵入させた舌に、必死に不器用に追いつこうとする遥が愛しく、将人も少しづつ息を荒げる。

 白く細い首筋に舌を這わせながら遥の心臓の位置に手を伸ばすと、遥の躰はビクリと反応した。

 遥の成長過程の小さな膨らみは、制服の上からでも柔らかく感じられた。

 将人は直に触れようとセーラー服を捲くり上げ、薄桜色のブラをそっと上にずらした。

 露になる白い肌を薄紅に染め、羞恥に震える遥。

 小学校の時にはまな板だった胸が、今は柔らかな弧を描き、先端の小さな突起は桜のように色付いている。

 指と手の平でその弾みを味わい、段々と硬くなる部分を口に含んで唇と舌で弄ぶと、遥はビクビクと反応する。

 まだその初めて感覚を、どう受け止めていいのか戸惑っている様子だ。

 下へと伸ばされた右手に遥は怯んだが、しかし抵抗はなかった。

 将人が下着の中へ手を忍ばすと、そこは既に少しの熱と潤いを持っていた。

 ……震えながらも、遥の躰も興奮しているのだ。

 将人はわざとクチュッと音を立て、指で遥の花弁をゆっくりとなぞり、小さな蕾を摘んでは擦った。

「ん、んぅうっ……」

 羞恥で涙目になりながら遥はまだ声を殺している様子なので、人差し指で蕾を攻めつつ、中指と薬指をゆっくり遥の内に沈める。

「……ぁあっ……ゃっ、やぁっ……ぁあああ!! ひぁああああ……っ!!」

 耐え切れず甘い声で鳴く小さな妹が妙に淫らで、将人はさらに指を増やし掻き回す。

「ふぁああ……!! ぁあっ……お兄ちゃぁっ……!! ゃぁっ……遥、なんかヘンだょぉっ……!!」

 蕾は激しく擦られているのにますます膨み、涙と蜜を潤していく遥の躰は、将人の与える甘い刺激に悦びを得ているのが一目瞭然だった。
 

 舌と指で胸を乳首を、グチュグチュと音を立て膣内を激しく侵され、敏感なクリトリスを容赦なく弄られては、遥は初めての強烈な快感に涙し、激しく喘ぐことしか出来ない。

「ひぁ、ぁあっ……お兄ちゃぁあっ……!! そんな、の遥っ……もぅおか、しくなっちゃ……っ……ぁああ!! ふぁ、ぁあぁあああっ……!!」

 とめどなく押し寄せる快感を受けきれず遥は一気に昇りつめ、透明な熱い液をしたした零しながら、快感の頂点に達した。

 膣はヒクヒクと痙攣し、指に吸い付くようにきつく締め付けてくる。

 昨日まで、ただの幼い妹だった遥はいま、幼いながら美しく実に淫らで、色香を放ち咲き乱れる夜桜のように妖艶だった。

 ――……遥の熱い秘部と禁忌の結合……

 その黒い欲望に、罪悪感など吹き飛んだ将人は、ゴクリと唾を飲んだ。
 
 ――遥がそれを見るのは初めてではなかったが、雄々しくいきり立つ将人のそれは、あまりにも大きく硬く膨張しきっていた。

 だがそれは、兄にためらいが在るのでは、という遥の不安を打ち消すものだった。

 熱い蜜を滴らせ、自分を待ちわびている遥の秘部に、将人は自身をゆっくり埋めようとした。

 しかしあまりの狭さに、体重を掛け一気に捩じ込むしかなかった。

「ひっ……ぃぁああっ、……ァアッ!! ぁぅうっ……!!」

 無い路を無理やり侵入されたような激痛に、遥からは悲鳴と涙が溢れた。

 将人は思わずそれを引き抜こうとしたが、背中に回された遥の両手は、必死に将人を受け入れようと縋り付いてくる。

 自分の腕の中で、泣き震えながらも痛みに耐える小さな妹は、何て愛しいのだろう……。

 将人はもう自分を抑えきれず、いっそさらに鳴かせようと、幼い遥の熱い腟を何度も何度も突き上げた。

「んぁっ……ぁああああっ……!! ぁっ……くぅうっ……!!」

 痛みだけにならないよう、遥の乳首を舐め、クリトリスを撫でる度に、熱く狭い遥の内は、うねりながら将人自身をきつく締め付け纏わりつく。

 グチュグチュと卑猥な音を立てるそこは、もう痛みだけではないと言わんばかりに遥の熱をどんどん溢れされる。

 将人は熱い鼓動が込み上げるのを感じ、激しく容赦無く遥を突き上げると、遥もまた快感を煽られ、二人の躰の芯は熱く疼いて弾けた。

「ぁあぁあぁっ、ぉにぃちゃぁああっ……!! もぉ遥っ……ぁあ、ああん……っ……!!」


 ・ ・ ・ ・ ・


「……もう、新幹線乗り過ごしたのー!?」

 風もないのに、満開になった桜並木はひらひらと花片を散らす。

「仕事が押してたんだ。いま駅に向かってるから、次の発車時刻には間に合う」

「次!? 次のって、いつー!?」

 携帯電話を耳から離しても、充分すぎる音量で不満が飛び出る。

 相変わらず、妹は元気そうだ。

 ……しかし会わない間に、彼女の中で、自分の存在が薄れていくことはないだろうか……?

「……そんなに早く……、したいのか?」

「えっ……違……ちがうよ!! けど……早く、会いたいよ……」

「……分かった。急いで帰る」

 最近まで仕事が忙しく、あまり実家に帰ることはなかったため、まだ自分を待っていてくれているかを、つい意地悪で試してしまう。

 

 携帯を閉じ、空を見上げ、昨年の春を思い起こす将人。 

 きっとまた、少し見ぬ間に桜のように心惑わす成長を遂げているのだろう。

 いつか散ると知る、この儚い禁断の関係。

 だからこそ、今しか咲かない美しい桜に魅了され、過ちを繰り返すのだろう……。

禁断りんご since2018.12.24